各種証明書

住民票と戸籍謄本の違いとは?

あやと

皆さんは、金融機関や勤務先などから、「住民票を提出してください」とか、「戸籍謄本が必要です」などと言われた経験はないでしょうか。

「住民票」と「戸籍謄本」のどちらも市区町村で取得できる書類なのですが、取得する機会がそれほど多くはない書類のため、「何が違うのかよくわからない」、「どこで取得できるのかがわからない」という方も少なくないと思います。

しかし実際には、住民票と戸籍謄本とでは、記載されている内容や証明する事項が大きく異なっており、必要になる場面も異なります。

この記事では、元地方公務員で市民課の勤務経験者の観点から、「住民票」と「戸籍謄本」の基本的な違いをわかりやすく解説いたします!

事前に理解しておくことで、不要な手間や取得し直しなどを防ぎましょう!!

結論

最初に結論から説明すると、住民票とは、「現在どこに住んでいるのか」を公の機関が証明する書類になります。根拠法令は、住民基本台帳法となっており、市区町村ごとに作成しているものになります。

他方で、戸籍謄本とは、「身分がどうなっているのか」を公の機関が証明する書類になります。根拠法令は、戸籍法となっており、こちらも市区町村ごとに作成しているものになります。

項目住民票戸籍謄本
証明する内容住所や世帯状況身分事項や家族関係
管理する制度住民基本台帳戸籍法
主な記載事項住所、氏名、生年月日など婚姻、親子関係など
取得先住所登録地の市区町村本籍地の市区町村
主な利用場面銀行、勤務先へ提出など相続、パスポート取得など

一見似ているように思える書類ですが、住民票と戸籍謄本を比較してみると、記載事項や利用場面が全く異なることがわかります。

住民票とは何か

住民票とは、市区町村が管理する住民基本台帳に登録されている内容を、公の立場として証明する書類になります。

「現在その人がどこに住んでいるのか」などの情報が記載されており、必要に応じて、世帯全員分か個人分かを選択することができます。

住民票に記載される主な内容

  • 住所
  • 氏名、ふりがな
  • 生年月日
  • 性別
  • 世帯主との続柄(記載選択可)
  • 本籍、筆頭者(記載選択可)
  • 住民日
  • 転居日
  • 届出日
  • マイナンバー(記載選択可)
  • 住民票コード(記載選択可)
  • 前住所(市区町村によっては記載選択可) 

なお、住民票には1つ前の住所は記載される場合が多いのですが、それよりも前の住所は記載されないことの方が多いのでご注意ください。

住民票が必要になる主な場面

  • 運転免許証の住所変更
  • 金融機関での手続き
  • 不動産の契約
  • 就職や転職時の提出書類
  • 各種行政手続き

このように住民票は、「現在の住所」や「居住実態」を証明するために提出を求められることがあります。

戸籍謄本とは何か

戸籍謄本とは、市区町村が管理する戸籍に登録されている内容を、公の立場として証明する書類になります。

戸籍にも、住民票と同様に「戸籍謄本(全員分)」と「戸籍抄本(個人分)」のどちらを取得するかを選択することができます。

戸籍謄本に記載される主な内容

  • 本籍地
  • 氏名・ふりがな
  • 生年月日
  • 戸籍に入った原因と年月日
  • 父母の氏名と続柄
  • 夫または妻(夫婦の場合)
  • 前の本籍地
  • 婚姻・離婚・死亡などの事実

なお、戸籍謄本は、住民票と異なり、住所を証明することはできませんのでご注意ください。

戸籍謄本が必要になる主な場面

  • パスポートの申請
  • 相続手続き
  • 遺産分割協議
  • 年金受給や保険金請求
  • 婚姻届の提出

このように戸籍謄本は、「日本国籍があるのか」や「その人が誰の子であるのか」といった、身分事項や家族関係を証明するために提出が求められることがあります。

よくある質問

コンビニエンスストアでも取得できる?

ほとんどの市区町村では、コンビニ交付が導入済みとなっています。しかし、財源などの問題で、未導入となっている市区町村も存在します。

また、コンビニ交付では、マイナンバーカードを使用するため、マイナンバーカードを取得していない方は、コンビニ交付で住民票や戸籍謄本を取得することはできません。

なお、郵送で対応してくれる市区町村がほとんどのため、遠方の方で、交付申請先がコンビニ交付に対応していない市区町村の方やマイナンバーカードを取得していない方は、ぜひ郵送請求を利用してみてください。

以前住んでいた住所は住民票に載っている?

1つ前の住所は基本的に記載されていることがほとんどです。しかし、それよりも前の住所は記載されないことの方が多いです。特に、市区町村をまたがって住所が変わっている場合は、記載されません。

もし、住民票に記載されている住所歴よりも、より過去の住所歴を証明する必要がある場合は、本籍地の市区町村で管理されている「戸籍の附票」を取得してみてください。

住所変更の届出を住所地の市区町村に行うと、その市区町村は、住所変更者の本籍地がある市区町村に、住所が変わった旨を通知することになっています。そして、住所変更者の本籍地がある市区町村では、住所変更者の「戸籍の附票」に新住所地を記録することになっています。

同じ場所でも住所と本籍地の表記は違う?

住所と本籍地を同じ場所に設定していて、住所と本籍地の表記が同じであると誤解されている方がたまにいらっしゃいます。しかし、厳密に言うと、住所は玄関の位置で番号表記(住居表示)が決まっており、本籍地は土地の番号表記(地番)となっています。

例えば、こんな感じで同じ場所に住所と本籍地を設定していても表記が異なります。

(住 所)○○県○○市○○×丁目××番××号
(本籍地)○○県○○市○○×丁目△△番地△△

これは、郵便物を配達するために定められた「住所」と、国民と国土を紐づけるために定められた「本籍地」とで、制度の成り立ちや目的が異なっていることから生じた違いになります。

このように「住所」と「本籍地」は全く別の概念のものとなるため、住民票の交付申請書に本籍地を記載しても住民票の取得はできませんし、戸籍謄本の交付申請書に住所を記載しても戸籍謄本の取得はできません。住所と本籍地は異なる表記になっていることをぜひ理解しておきましょう。

本籍地がどこかわからない場合は?

「本籍地がどこかわからない」、「本籍地の地番まで覚えていない」という方は、「本籍の記載あり」を選択した”住民票”を住所地の市区町村から取得してみてください。そうすると、「番地まで記載された本籍地」と「戸籍の戸主である筆頭者」を知ることができます。

戸籍謄本や戸籍の附票など、戸籍に関する書類を取得する際には、「本籍地」と「筆頭者」を交付申請書に記載する必要があります。

戸籍謄本の正式名称は?

戸籍謄本は「戸籍全部事項証明書」という名称が正式な呼び名になっています。

昔は戸籍も紙で管理されていたのですが、現在では電子化されており、電子化された後は「戸籍○○事項証明書」が正式名称となっています。

ちなみに、戸籍抄本はの正式名称は「戸籍一部事項証明書」です。

なお、一般の方は「戸籍全部事項証明書」ではなく、「戸籍謄本」という呼び方が現在でも広く使われている印象です。僕の実体験として、市民課の窓口で「戸籍全部事項証明書をください。」と言われた経験はありません。皆さん、「戸籍謄本をください。」とおっしゃって窓口に来られます。

また、「戸籍抄本」の存在をご存じの方もあまりいない印象です。「その理由で取得されるのであれば、戸籍抄本(戸籍一部事項証明書)でいかがですか?」と提案すると、ほぼ100%「何それ?」という反応をされていました(汗)

外国人にも戸籍はあるの?

戸籍は、”日本人の”出生から死亡までの身分事項を公的に記録する制度です。そのため、日本国籍を有していない外国の方に戸籍は”存在しません”。

パスポートの申請時に戸籍謄本の提出が求められるのは、「日本人であることの証明」を求められているということになります。

住民票や戸籍謄本に有効期限はあるの?

これも市民課の窓口でよく聞かれていたことなのですが、住民票や戸籍謄本に有効期限は”ありません”。

あくまで、交付日時点の登録されている内容を証明する書類となっています。

”いつ時点の状況を知りたいのか”は、提出先の考え方によって異なるため、役所側で有効期限を定めることには意味がありません。多くの場合は、提出先において「3か月以内に取得した住民票」などのような指定を設けています。

まとめ

住民票と戸籍謄本は、どちらも市区町村で取得できる公的な証明書ですが、その役割は大きく異なっています。

  • 住民票は現在の住所を証明する書類(前住所の記載がある場合もある)
  • 戸籍謄本は身分事項や家族関係を証明する書類
  • 住民票は住所登録地の市区町村で取得する
  • 戸籍謄本は本籍地の市区町村で取得する
  • 提出先に応じて必要書類が異なる

最後に

いかがだったでしょうか。

これで「住民票」と「戸籍謄本」の基本的な違いがわかっていただけたと思います。事前に記載内容を理解しておくことで、安心して必要な書類を役所で取得しましょう。

この記事が、少しでも読まれた方の参考となることを心より願っております。

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はじめまして。当ブログを運営しているあやとです。20代で借金100万円を抱えたことをきっかけに、お金との向き合い方を見直し、節約・家計管理・投資を通じて資産形成に取り組んできました。元地方公務員で、現在はフリーランスとして活動しています。また、行政書士・宅地建物取引士などの資格も保有しています。このブログでは、お金・副業・資格・行政手続きなど、暮らしや学びに役立つ情報を発信していきます。少しでも役立つ情報を提供できれば嬉しいです。
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